こだわり
リストミストは除菌用アルコールの入るケースを手首の内側に装着し、上部を二本の指で押すとその間の噴出口から手のひらに除菌用アルコールが噴射される構造の物です。
※上図のリストミストは試作品の為、製品版とデザインが異なります
デザイン性とは?
日常使いで一番大切なのはデザイン性です。
ここで言うデザイン性とは、「機能」vs「デザイン」のデザインではありません。私が考えるデザイン性とは、「機能」×「美しさ」 で、必要な機能が美しく調和して存在している状態です。
「機能」とは具体的な働きや作用で、「美しさ」とは可愛い、綺麗、スマート、簡単そうなど、人に優しく心地よい気分にさせるものです。例えば、大容量(機能)がスマート(美しさ)に収まっていたらそれは良いデザインとなります。
大容量かつスマート!フィット感も◎
手首に長時間装着する物なので、スマートで見栄え良くないといけません。
ただケースの容量が少ないとすぐに空になってしまう・・この相反する2つの要素を同時に満たす為に、凸を削り、手首にフィットさせるよう体積を分散させた事で、容量は確保しつつスマートに見せる事ができました(試作品での計測では400回以上噴射できました)
確実に手のひらへ噴射!
手首を内側に曲げた時、噴射口が手首に塞がれないように噴射口の高さを確保する事が必要でした。
何度も試作を重ね本体の構造の兼ね合いも考えながら、ちょうど良い距離を見つける事ができました。
ノールックで確実に指をホールド
噴射口をアーチ状の凸形にする事で、間違って噴射口を塞がない為と、目で見ず触感だけで指を置く位置が分かるようにしました。
底面アーチ構造
底面形状をアーチ状にすることで残り少ない液体もしっかりキャッチできます。
超軽量!!
長時間つけていても疲れないよう、形状や素材にこだわり徹底的に軽くしました。特に後述する『ポリカーボネート』という強度抜群の素材を採用したことで、より薄く調整する事ができました。(もちろん強度は担保しています!)
素材選びも機能と密接に関係しているのでとても重要です。
今回使用しているのは『ポリカーボネート』という素材で、樹脂素材の中では「耐衝撃性」、「透明性」、「自己消火性」、「耐熱性」に大変優れています。
耐衝撃性
特に「耐衝撃性」 は抜群で特殊部隊のシールド(防御盾)に使われる程なので多少の衝撃ではビクともしません。
一般的には車のヘッドライトカバーがそれです。
透明性
ズバリ液体の残量が分かる為です。「残量確認」は必須の機能なので透明性はとても重要です。
自己消火性と耐熱性
アルコールをメインで扱う製品なので火気に対して少しでも可燃要素があってはいけません。この素材は自己消火性があり自ら発火する事はありません。仮に外部から火をつけても火元を離すとすぐに消火します。
また耐熱温度は120℃~130℃と樹脂の中ではかなり高い耐熱性を持つので炎天下での使用も変形する事はありません。
(あえて)ポリカーボネートのデメリット
ポリカーボネートは数々の素晴らしい性能を有してますが、デメリットはコストです。一般的なプラスチック(PPやPEなど)の倍近い価格となります。しかしこちらもロット数や輸送費の工夫でコスト削減に努めます。
当初フィット感を優先するあまり、より手首への密着度を高める形状で設計しましたが、出来上がってきた試作品を試した所、ボタン稼働部へ皮膚が巻き込まれる事態が発生しました。
それを回避する為に皮膚とボタン可動部との間に壁を設けて巻き込みを防止しました。
角を作らない(どこを触っても痛くない)
どこに触れても痛くないよう基本、角を作らないようにしました。
特に噴射口は一番指が触れる可能性があるのでよりアーチを強めに作りました。
壊れない(ケガをさせないよう)
素材へのこだわりでも触れましたが、ポリカーボネート製の為、多少なら踏んづけても壊れることはないので、間違って踏んで壊れ破片が刺さったりするリスクは少ないと思います。